公開日:2022/06/21
変更日:2024/08/29
人事業務のなかでも採用業務は、1年以上の時間をかけて行なう大切なものです。どの企業も当たり前のように採用業務を行なっていますが、定期的に採用フロー(採用計画、母集団形成、応募者選考、内定者へのフォロー)の見直しはされているでしょうか。
採用フローは一度作成したら終わりではなく、振り返ることで次年度へのアップデートにつながり、結果的に採用業務の効率アップが期待できます。
特に、クリエイター・IT人材は専門性が高く、優秀な人材の獲得が難しいため、綿密な採用フロー作成が重要です。
この記事では、採用業務における採用フローの作成方法とともに、フロー作成時のヒントについても紹介します。
採用業務とは、採用フロー全体を指します。具体的には、採用計画の立案から内定者のフォローに至るまでの、一連の流れです。各段階において、ある程度採用状況を予測しておくことで、採用活動をスムーズに進められます。
ここで、基本的な採用フローについて確認しておきましょう。
採用フロー作成では、採用活動開始から採用者の入社までの流れを、細かく洗い出してください。自社にとって優秀な人材を確保できるよう、各段階のスケジュールを調整します。
採用業務を自社で行なう際は、「内定」までではなくその次の段階までまとめることがポイントです。内定者は、複数の企業を同時に受けている場合が多いもの。早く内定が出た企業を選択する傾向にあるため、内定を出せば必ず自社に来てくれるとは限りません。
優秀な人材を逃さないよう内定を早く出すことを意識しつつ、最終的に自社を選んでくれるよう適切にフォローしましょう。内定者のフォロー、そして入社までが採用業務だと捉えることが重要です。
採用フローは採用計画、母集団形成、応募者選考、内定者へのフォローという4つの段階に分けられます。
1.採用計画
採用計画では、採用活動の大枠を決めましょう。予算の範囲内で、採用活動の内容やスケジュールを調整します。同時に自社が求める人物像を明らかにしたうえで、採用候補となる母集団を形成することが大事です。
2.母集団形成
企業説明会やポータルサイトなどを活用し、母集団へ適切にアプローチしてください。採用コストを安く抑えることだけを意識せず、自社が求める人材が集まっているか確認しましょう。
3.応募者選考
効率良く応募者の選考を進めるためには、採用管理ツールの導入をおすすめします。情報を一元管理して時間対効果を高めましょう。このとき、個人情報が漏洩しないよう、セキュリティ対策にも注意してください。
4.内定者へのフォロー
自社にマッチする人材が見つかったら、内定を出します。応募者は複数の企業を同時に受けているため、他社の選考状況も把握することが重要です。内定者が決まったら終わりではなく、自社を選んでもらえるようなフォローも忘れずに行なってください。
上記のような採用フローでは、経営者や採用業務担当者、リクルーターがそれぞれ行なうべきことと応募者が行なうべきことがあります。それらを把握するためには、採用業務全体のフローチャートを作成し、業務の時系列と併せて確認できるようにしましょう。
リクルーター社員と応募者、リクルーター社員と内定候補者というように立場別のフローも作成することで、どの段階で何をすべきか明確になります。
また、応募者が採用過程や選考過程を理解できる、フローチャートを作ることも欠かせません。情報が開示されていないと応募者は不安になり、自社を選んでくれなくなる可能性が高くなります。
情報の透明性や公平性を保つために、必ず応募者にもフローを公表しましょう。
特に、クリエイター・IT人材は複数内定をもらっている可能性が高いので、企業との距離感を離れさせない工夫が必要です。
採用フローの作成には手間がかかりますが、丁寧に作り込めばメリットが見えてきます。
具体的に挙げられるメリットは、以下3つです。
フローを作ることで、採用業務担当者だけでなく経営陣も含め、会社全体で採用の進捗を共有できます。担当者のみが進捗を把握している場合、経営者の意向が反映されにくいなどの問題が生じるでしょう。次年度の業務分担など、実務的な部分で影響が出ることも考えられます。
社内全体で進捗を共有することが、採用活動をうまく進めるポイントです。採用に関する認識のズレをなくすことで、自社が求める人材の確保につながるでしょう。
フローを作ることで、採用活動において課題やトラブルが発生したときに、どの段階で何が起こったのかスムーズに確認できます。課題とフローと照らし合わせることで、その時点における解決策を講じやすくなるうえ、次年度の採用活動に向けた改善にもつながるでしょう。
採用活動がうまくいかなかった場合、採用計画・母集団形成・応募者選考・内定者へのフォロー、いずれかの見直しが必要です。このとき記録が残っていなければ、どこを改善すべきか把握が難しくなります。次年度も同じ過ちを繰り返してしまうと、優秀な人材の確保からは遠ざかるかもしれません。
課題やトラブルを放置しないためにも、フローを作成して記録や改善点を可視化することが重要です。
選考の過程で、自分が現在どの段階にいるのかを知りたがっている応募者は多いものです。応募者にフローを提示することで、応募者は現状を把握できるようになります。現状がわからなければ、選考を辞退してしまうかもしれません。
裏を返せば、情報共有がされている企業は応募者から信頼してもらえるでしょう。
優秀な人材ほど、対応が早い企業へ入社を決める傾向があります。自社に必要なスキルを持ち合わせている人材を確保するためにも、フローを提示し情報の透明性を保つことは重要です。
職場見学や社員との座談会など、内定者へのフォローも並行して行ないましょう。内定者の不安や疑問を取り除くことで、内定辞退率の減少につながります。
採用フローを細かく作っただけでは、次の採用活動に反映することはできません。採用フローを使いこなすために、採用業務担当者がやるべきことを3つ紹介します。
採用業務におけるそれぞれの段階で、正確な記録をとっておきましょう。応募者数や書類審査通過数、内定辞退率などを把握したうえで、それぞれ丁寧にまとめておいてください。
記録をしておかないと、改善点を把握できず次年度の採用活動に活かすことができません。優秀な人材を確保できない、内定辞退率が高いなどの問題を解決できずに次年度を迎えることにもなりかねません。
記録をまとめておくことで、今後魅力のある採用活動を模索できるようになります。採用活動がうまくいけば、応募者は自社に興味を持ってくれるでしょう。
万が一トラブルが発生した場合は、その過程における改善点も洗い出してください。どの段階を改善すべきか把握することで、同じ過ちを繰り返すことはなくなります。
フローの各段階において具体的な数字を記録し、振り返ることで、次年度の採用活動をアップデートしましょう。
自社の内情にそぐわないフローを割愛するなど、効率化を模索しましょう。自社にマッチしないフローを設定しすぎると、採用業務がスムーズに進まなくなります。
採用の目的は、自社に必要なスキルを持つ人材を確保すること。細かい採用フローの作成は重要ですが、そのときの状況に合わないフローを作成しても、優秀な人材確保はできません。競合他社に負けないよう、ブラッシュアップする必要もあります。
また、今年度にうまくいったやり方が、次年度も通用するとは限りません。各段階における記録を参考にしながら、次の採用業務がうまくいくようフローをアップデートしましょう。
内定辞退者と採用フローを照らし合わせ、内定者を囲い込むための施策を検討することも大切です。優秀な人材が競合他社へ流れないよう、内定後のフォロー体制も見直してみてください。
自社にとってより良い人材を確保するため、現場の各部署と連携を図る必要があります。特に、クリエイター・IT人材の場合は専門性が高いため、現場担当者の意見を取り入れながら採用活動を行なうとよいでしょう。
採用業務担当者だけで専門性が高い人材を評価するのは難しいもの。現場の事情をすべて把握することも困難です。
クリエイターやITの現場担当者がいれば、現場の視点から評価することができます。レジュメだけではわからない応募者の魅力やスキルは、担当者だからこそ把握できるでしょう。
応募者としても同じクリエイター・IT担当者から評価してもらったほうが、内定承諾に対して前向きになることは間違いありません。専門性の高い分野だからこそ、現場の各部署との協力体制を築いたうえで採用活動を行なうことが良い人材を確保することにつながります。
採用フローは採用業務担当者だけでなく、人事や経営陣、応募者それぞれが確認できるように整えることが重要です。会社全体で採用フローを把握することで進捗が共有でき、採用活動にかかる認識のズレを防ぐことができます。その結果、内定辞退率を減らすことにもつながるのです。
採用フローの作成は煩雑な作業ですが、採用活動の失敗をなくすためにもフロー作りは必ず行ないましょう。採用計画、母集団形成、応募者選考、内定者へのフォローという4つの段階を設定することがポイントです。
社内に採用リソースがない場合は、アウトソーシングを利用するのも手段の一つです。当社が提供する採用戦略・採用活動伴走支援サービス「HIGH-FIVE[HR]」では、戦略立案から施策実行まで、一気通貫のご支援が可能です。 採用候補者との良質なタッチポイント設計だけでなく、社内メンバーへの面接選考官トレーニングや適切な選考サーベイ設計など、課題に合わせたプランをご提案いたします。
業界や職種、経験職位に専任特化したエージェントが担当しますので、クリエイターの採用候補者や社内のIT担当者とのコミュニケーションに課題をお持ちの方にもおすすめです。 クリエイター・IT人材の採用でお困りの人事担当者様は、ぜひ採用戦略・採用活動伴走支援サービスをご活用ください。