厳しい争奪戦が続くデジタル人材採用。 採用チームと事業部門との連携で緻密なペルソナ設定が必須。 ~ソフトバンク足立氏×クリーク・アンド・リバー社渡辺 対談(前編)~

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厳しい争奪戦が続くデジタル人材採用。 採用チームと事業部門との連携で緻密なペルソナ設定が必須。 ~ソフトバンク足立氏×クリーク・アンド・リバー社渡辺 対談(前編)~

初めに

【プロフィール】
足立 竜治 氏(写真左)
ソフトバンク株式会社 コーポレート統括 人事本部 採用・人材開発統括部 統括部長
1997年日本国際通信株式会社(現ソフトバンク株式会社)入社。国際通信の営業、SE(ソリューションエンジニア)職を経て2007年人事部門に異動。人事企画部長、グローバル人事部長、HRBP統括部長を経て2021年から現職。

渡辺 和宏(写真右)
株式会社クリーク・アンド・リバー社 クリエイター・エージェンシー・グループ 執行役員
2002年株式会社クリーク・アンド・リバー社入社。映像分野で活躍する派遣就業クリエイターを担当、また制作受託の営業に従事。
その後2005年から人材紹介事業を担当。

ITやデジタルテクノロジーの進化によって人々の生活が変わっていくなか、企業においてもDX推進に対応できるかどうかが、今後の企業競争力を左右すると言われています。
そのDX推進を担うデジタル人材がいま、業界や業種を問わず不足しており採用市場における大きな問題となっています。

今回は、就労体験型インターンや地方創生インターン、AI動画面接など数多くの採用手法を駆使されてこられたソフトバンク株式会社(以下ソフトバンク)の足立様と、クリーク・アンド・リバー社(以下C&R社)で、デジタル人材の採用において多くの企業を支援してきた執行役員 渡辺の対談企画を実施。
前編では、企業間の争奪戦が激しく困難を極めるデジタル人材の採用市場の状況、また、採用現場で人事部門にはどのようなことが求められるのかを語っていただきました。

DX推進により、デジタル・クリエイティブ系人材のニーズは増大~デジタル人材の厳しい争奪戦は今後も続く

渡辺
まずは簡単に、お互いの自己紹介をしましょう。 足立さんはどのようなキャリアを経て、人事の仕事に携わるようになったのですか。

足立
私は超就職氷河期といわれた時代の新卒で、国際通信の会社に入社後、最初の3年は希望通り営業職に携わっていました。その後、社内にSE(ソリューションエンジニア)が足りないということで、無謀にも手を挙げて、ゼロから学んで6年くらいSEをやっていました。ちょうどキャリアアップを考えていた2007年に上司から1年だけ人事部門に行ってくれと言われ、そのつもりで異動し気付いたら14年も人事にどっぷりハマっている。(笑)
人事のなかでも人事企画、その後にグローバル人事部の立ち上げやHRBPの統括を経て、現在の採用・人材開発の統括部長に就いていますが、人事に入って気付いたのは、自分は人に興味があるんだということ。それに、答えのない世界に自分たちで答えをつくれる、直接的に社員の役に立ち、結果的に事業にも役に立てる、すごくクリエイティブな仕事だということですね。

渡辺さんは、クリエイターの人材紹介サービスという仕事に対して、何か思い入れというかこだわりといったものはお持ちですか。

渡辺
C&R社は、代表が「プロフェッショナルの人間が仕事に専念して、よいキャリアを築いて活躍できる環境をつくりたい」という想いを込めて立ち上げた会社で、転職を希望される方の想いに寄り添う姿勢・気持ちが会社全体に浸透しています。私もそのDNAはしっかり引き継いで、決してクライアントをないがしろにするということではないですが、転職者が本当に求めるキャリアを実現できる会社を紹介することにこだわっています。

足立
採用する側も転職希望者が求めるキャリアをしっかり実現できる環境を整えておかなくては紹介してもらえないということですね。
さて、本題ですが、いま国を挙げてのDX推進というなかで、デジタル人材の不足が取りざたされていますが、その市場環境をどう捉えていらっしゃいますか。

渡辺
私たちはもう30年くらいクリエイティブな人材の転職支援に携わっていますが、昨今、クリエイティブの幅が広がって、多種多様なニーズをいただくことが増えています。とくにデジタル・クリエイティブのニーズですね。
ビジネスの在り方自体もデジタルを活用したサービスが増加し、社内体制もIT化、DX化が進んでいくなかで、デジタル人材を置きたい、新しいサービスを生み出すうえでデジタル人材の採用を強化したいというクライアントが増えています。 しかし、引き合いをいただくことはありがたいのですが、経済産業省もIT人材が不足していると発表しているように、とにかく人がいないというのが現状です。各企業の争奪戦はこれからも継続していくでしょうね。

足立
日々採用活動している私たちとしても、率直に厳しい環境だと感じています。昨年ですと約600人程度のキャリア採用をしているのですが、IT・デジタル人材の場合、事業領域が広がってきているので、いろいろな事業のさまざまなポジションに応じて採用活動の手法を選別しながら、何とか良い候補者に出会って入社してもらうように努力しています。
渡辺さんは私たちのような企業をたくさん支援されていると思いますが、クライアントによって支援のやり方は変えていらっしゃるのですか。

渡辺
デジタル系のプロフェッショナル人材を採用する会社に限定しても、御社のように多くの優秀な人材がいらっしゃるうえで、ピンポイントの専門性をもった人を採用したいとか、汎用的なスキルをもった人を複数人採用したいといった会社もあれば、デジタル人材採用の経験がなく、そもそもどんな人を採っていいのか分からないというレベルの会社までいろいろあります。

御社のように採用ノウハウやリテラシーが豊富で、もっと言えば採用にかけられる予算や人員が豊富な会社は、我々がお手伝いできるとすれば、ピンポイントで「こういう人材が欲しい」といった限定的なニーズにお応えするときでしょうね。デジタル人材採用のリテラシーのない会社の場合は、「どういう人を採りましょうか」「どの事業にどんなスキルが必要ですか」といった人材定義するところから一緒に関わることで支援させていただいています。

事業戦略・計画を基に必要な人材のペルソナを設定。採用チームと事業部門との連携と相互理解が必須

渡辺
デジタル人材を採用するにあたって、御社でとくに注力していることはありますか。

足立
デジタル人材に限ったことではありませんが、どういう人を採りたいのかというペルソナをきちんとつくることを大切にしています。我々キャリア採用チームとHRBPチームが一体となって、そもそもどんな事業をやりたいのかを人事が正しく理解して、そのうえで事業部門と向き合い、だったらこのポジションにはこのペルソナだよねと落とし込んで言語化する、そこからロールプロファイリングをつくる作業を、手間はかかるんですがきちんとやります。それがないとボタンを掛け違ってしまいますから。 渡辺
私たちエージェントがお客さまに伺ったときに対応されるのは、たいてい人事の方なのですが、事業現場のことをあまりご存じない方もいらっしゃって、採用要件のペーパーをさらっと渡すだけで、事業プランについて質問しても的確な答えが返ってこないというケースがあります。我々としては一番困る。
人事の方を信用していないということではないのですが、ヒアリングでは現場のトップもしくは少なくとも面接を担当される方に会わせてくださいと強くリクエストします。現場の方から直接お聞きする人材要件、求人票だけでは見えてこない、まさしくペルソナを引き出したいですからね。現場の声を聞けただけで人選の精度は大きく変わります。

足立
現場・事業部門と人事との連携、ペルソナの設定は当然ですが、中長期において何人くらい必要なのかという要員計画を、部門とHRBPが連携して、事業計画と採用計画を連動させてつくっています。採用チームだけでは得られない知識をHRBPとセットで動くことによって補完しながら活動していますから、人事でも現場の話ができる当社は渡辺さんの採点では及第点ですね。

渡辺
そうですね。
まず、スタンスというか、人事の方が事業理解しようとしているかどうかが大きく違うところです。採用に強い会社の人事はだいたい事業の詳細を語れます。カルチャー面も含めて事業部の特徴などを説明できる人が多い。さらに言えば、採用力のある会社は、候補者の重視しているポイントをきちっと面接のなかでヒアリングできていて、現場の方や上司の面接のときに、そこをフォローできるような戦略を立てて面接することが徹底されていますね。

クライアントと候補者の面接の後、候補者からフィードバックをもらうのですが、「けっこうあいまいな答えで事業のことはあまり理解できなかった」というものが多々あります。人事の方に面接時の留意点として、「せめて面接の前に聞かれそうなことはご自身のなかにインプットしておいてください」と事前にお願いしています。
我々エージェントが候補者を書類で紹介するときにも、その時点で候補者が自社に対して興味を持っているところや懸念点など詳細にヒアリングしてくる会社はやはり採用力があると感じます。

足立
もうひとつ面接関連で言うと、入社後のミスマッチ防止という意味で気を付けている点が、部門の面接官の印象です。面接官に対して研修を行い、入社をすれば将来一緒に働くことになる面接官の接し方・見え方次第で会社の印象は大きく変わるということをきちんと理解してもらったうえで面接に臨んでもらうようにしています。「その態度は候補者から見るとこう見えるんですよ」といったことを伝えています。
それに「いいことだけを言わない」ということもお願いしています。現実的にはこんな大変なこともある、現場では当たり前の雑務だってあるなどといったことを包み隠さずに伝えてくださいと。そうすることで入社後のミスマッチが極力おきないようにしています。

渡辺
事業部門と採用・人事部門の連携に話を戻すと、御社では何か特別に行っている施策はあるのですか。 足立
採用戦略を立てるときの1丁目1番地として、まずは事業部門と一緒に中長期の事業戦略および来期の事業戦略に基づいて検討します。とはいえ採用人数、予算に限りはあるので、優先順位をつけて戦略を立てるといったところをも大事にしています。
採用・人事部門間の理解を深める活動については、例えば当社のテクノロジーユニットには18の本部があるのですが、HRBPがその本部一つひとつに時間をもらってビジネスやエンジニアの仕事をヒアリングしています。

それぞれの部門の仕事を理解して、それをチームにとどめずに人事のなかの必要な人全員にシェア会という形で内容をシェアするのですね。自分の持っている知識を話すことによって、その人の知識の定着にもなるし、聞いた人は理解が深まるし、という形で非常にベタですが、それをずっと繰り返して行っています。

渡辺
それを続けるというのは、すごくハードルが高い感じがしますけれど、継続して回すコツはあるのですか。

足立
コツはないですね。「文化としてやっていこう」というスローガンを掲げているだけで、当たり前のこととして定着しているといった感じです。

(後編に続く)デジタル人材をターゲットに採用ブランディングを確立し、 経営層を巻き込んだ未来設計図を基に採用計画を立てることが大切。 ~ソフトバンク足立氏×クリーク・アンド・リバー社渡辺 対談(後編)

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この記事を書いた人

HIGH-FIVE編集部

取材・文、撮影、編集:HIGH-FIVE[HR]編集部