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生産性向上、公的機関の助成金や支援……女性活躍推進がもたらす5つの採用メリット~推進企業の事例と併せて解説

初めに

2016年4月に施行された女性活躍推進法は、政府の「2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%まで押し上げる」という目標を具現化するためのものでした。しかし、一時的に女性管理職の増加を目指す動きが一部企業でみられたものの、官民どの分野においても思うような結果はいまだ現れていません。

イギリスの最も歴史のある国際政治・経済誌『エコノミスト』が2021年に発表した『女性の働きやすさランキング』によると、世界主要29か国のうち日本は28位と低迷しており、政府は目標達成期限の「2020年までに…」を「20年代の可能な限り早期」と下方修正させる状況になっています。

この記事では、なぜ日本では女性活躍が進まないのか、どのような施策を講じれば推進できるのか、女性活躍がもたらすメリットとは、などを紹介・解説していきます。

女性活躍推進が進展しない理由

本章では、企業における女性活躍がなかなか進まない理由・課題を紹介します。

① 女性活躍推進の目的が不明確で、推進役も不在

「○年後に女性管理職比率を○%まで上げる」など、推進の目的や意義が明確になっていないうえ、責任を持って推進する部署・担当者が不在という状況のため、進展しづらい状況になっています。

② 女性を育成する風土がない

「女性は結婚や出産を機に家庭に入るべき」といった、古い観念から抜け出せない企業がいまだにあり、ライフイベントの転機に退職を余儀なくされてしまう。また、高度な仕事にアサインしてもらえず、管理職など重要なポストになる前に退職するケースも多く見られます。

③ ロールモデルがない

女性社員の見本となるような女性管理職が不在で「私もああなりたい」というモデルが少ないことも原因のひとつです。
また、女性自身にもキャリアアップに対して、昇進するとサービス残業が増える、緊急時の対応を迫られるなどマイナスのイメージを持つ人が存在し、キャリアアップを自ら拒むケースも見られます。

女性活躍推進のために企業が行うべきことは

本章では、女性の活躍を推進したい企業が取り組むべきことを紹介・解説します。

まず初めに行うべきこと

① 現状を把握し課題を抽出する

施策・計画を策定する前に、まず女性社員の状況や想いを正しく理解し、ニーズをくみ取ることが大切です。本当に配慮してほしいポイントを正しく理解しなくては、的確な施策が生まれません。

② 課題解決のための施策計画を立てる

女性のニーズをくみ取り、状況把握・分析した結果をもとに、行動計画を策定します。

・計画期間:定期的に計画の進捗を検証しながら改定も必要です。
・目標設定:管理職比率を○%にするなど数値目標を設定します。達成可能な数値にすることが大切です。
・取り組み内容:優先順位を決め、どのような取り組みを行うか検討しましょう。

具体的な取り組み

① 女性の採用比率を高める

女性を積極的に採用し、採用比率を高めましょう。応募者数・採用数を増やすためには以下の施策・制度を整えることが効果的です。

・一般職から総合職への転換を推進する ・出産や育児をサポートする福利厚生制度の充実を図る ・時短勤務やテレワークなど勤務形態の多様化を推進する

② 女性社員を育成する

女性社員を育成するためには、女性特有の悩みを理解し、フォローする必要があります。

・柔軟な働き方に対する対応
時短勤務やテレワーク、在宅ワークなど多様な働き方を採用することで、仕事と家庭を両立できる環境を整えます。 ・事業所内保育施設・託児所の配置
育児しながらでも安心して働く環境を整えます。 ・ロールモデル、メンター制度の導入
キャリア面、ワークライフバランス面において、目標となるロールモデルを設定することで、仕事に対するモチベーションが上がります。
豊富な知識と経験のある先輩社員(メンター)が後輩に個別支援を行うことは、キャリア形成の課題解決や職場内での悩み解決につながります。

③ 女性社員を管理職へ登用する

「3年後に女性管理職を○%まで増やす」といった具体的な数値目標を掲げ、積極的に取り組みましょう。
メンター制度の導入や、マネジメント能力をつけるキャリア支援を行うことで、管理職への意欲を高めることも大切です。

④ 経営トップから全社的に周知する

経営トップが率先して社員の意識変革を行うことが大切です。

・方針の明示と周知:女性活躍推進のための制度や待遇など情報を全社員に周知することで、職場風土の改善を図ることが必要です。

女性活躍推進のメリット

本章では、女性活躍を推進することで、企業にどのようなメリットがあるのかを紹介します。

女性活躍

① 優秀な人材を採用できる

女性大学進学率は世界3位となっており、年々女性の就学率が高くなっています。また、「一生役立つスキルを身につけたい」「高収入を目指したい」など、就業意識・意欲の変化、希望職種の多様化が見られ、優秀で意欲のある女性を採用できる可能性も高くなっています。

② 生産性向上が見込める

育児経験者は、限られた時間のなかで仕事をどう効率的に行うか感覚的に身につけています。また、男性目線では気付きにくい業務の課題や改善点が見つかるケースもあり、全体の生産性向上が見込めます。

③ 企業文化の改革

女性ならではの視点も取り入れ、いままでとは違った企業文化が形成できます。

④ 企業イメージの向上につながる

女性が活躍している会社=働く環境や制度がしっかりしているというイメージアップにつながります。
女性が働きやすい環境は、男性にとっても働きやすい環境ともいえます。相乗効果で男女ともに優秀な人材が集まりやすくなります。

⑤ 公的機関から優遇される

行政・市場からの評価が上がり、助成金や支援を受けられる可能性が高くなります。

女性活躍推進の事例と効果

本章では、女性活躍推進への取り組みにより、成果をあげている事例を紹介します。

① T社(電鉄):始業時刻を調整できる「スライド勤務制度」導入

スライド勤務制度を導入したことで、勤務時間の柔軟な調整を可能にしました。その結果、総合職の離職率は男女ともに0%となり、「なでしこ銘柄」(経済産業省・東京証券取引所)に3年連続で選定されています。
他にも、長期スパンでキャリア構築を考える女子学生を積極的に採用。女性を対象とした「女性管理職フォーラム」「管理職のマネジメント意識改革セミナー」の実施と、社内研修や外部派遣を積極的に行いモチベーションの向上に努めています。

② N社(ウェディング):仕事と育児を両立「キラキラ働こう!プロジェクト」

「キラキラ働こう!プロジェクト」「フレックスキャリア制度」の導入により、離職者が減少し、産休・育休からの復職者が100%となりました。
「キラキラ働こう!プロジェクト」は、土日祝日でも休みを所得できる仕組み、時短勤務制度の利用期間を小学校卒業まで延長可能です。「フレックスキャリア制度」は、1日の勤務時間を4時間から8時間まで、1時間単位で選択できる制度です。

③ R社(総合情報サービス):ワーママ体験を通して学ぶダイバーシティマネジメント研修「育ボスブートキャンプ」

実際の子育て体験やワークショップを通し、管理職自身が課題意識を持ち、自らダイバーシティ・マネジメントを学べる実践型の研修です。会社全体で生産性を高める「働き方改革」の取り組みの中で、「多様な個が活躍できる」会社を目指すために導入しています。

④ A社(食品メーカー):自宅、通勤中の電車もオフィスになる「どこでもオフィス」

成果と時間を創出し、育児・介護などさまざまな事情がある人でも働けるようにするため、テレワークの実施場所や利用回数の上限を緩和。拘束時間の削減でプライベートの充実にもつながっています。

⑤ B社(飲料メーカー):出戻り歓迎「ウェルカムバック制度」

育児や介護で退職した場合、規定条件を満たせば再雇用認定を受けられる「ウェルカムバック制度」。その他「世代別キャリア研修」という自分のキャリアを具体的にイメージしやすくする制度を導入、女性管理職の人数は10年間で5倍になっています。

まとめ

この記事では、女性活躍推進がなぜ進まないのか、その理由、活躍を推進するために企業が行うべきこと、女性が活躍することで企業が受けるメリット、実際に女性が活躍している事例と効果を紹介・解説してきました。

世界に比べて、女性活躍後進国といって差し支えない日本。今後の労働人口減少などを鑑みても女性の活躍なくして成長は望めないといってよいでしょう。
企業にとって女性活躍が大きなメリットをもたらすことを理解していただき、女性活躍推進に取り組んでいただければ幸いです。

この記事を書いた人

HIGH-FIVE編集部

取材・文、撮影、編集:HIGH-FIVE[HR]編集部