公開日:2021/06/30
変更日:2024/09/08
社会情勢や働き方の変化によって、企業が取り組むべき採用活動は大きく変わっています。それにともない、最近注目を集めているサービスが採用代行(RPO)サービスです。 採用代行は企業人事・採用における議題解決の助けになるので、うまく導入・活用できれば、少ない採用メンバーでも採用の質を高められるでしょう。 この記事では、採用代行(RPO)サービスの概要やメリット・デメリット、サービス業者を選ぶときの重要ポイントなどについて詳しく解説していきます。
目次
採用代行(RPO)サービスは、RPO(Recruitment Process Outsourcing)とも呼ばれ、採用に関する業務を企業に代わっておこなう人材サービスです。採用活動の外部委託といえばイメージしやすいでしょう。
応募者管理や面接はもちろん、採用ターゲットの策定や母集団形成などにも対応可能なケースが多いので、採用活動全般を任せることができます。
近年、採用代行(RPO)を含む人事業務アウトソーシング市場は拡大しており、2018年度は前年比104.5%の9,174億円を記録しました。今後も市場拡大は続くと予測されているので、採用代行(RPO)を活用する企業が増えているといえるでしょう。
採用代行(RPO)サービスが登場して、社会に浸透しつつある背景には「社会情勢の変化」と「働き方改革」があります。
少子高齢化の著しい進行にともない、日本の採用市場は企業にとって不利な「売り手市場」となっているため、多くの企業が人材不足に陥っている状況です。特にIT・Web系の人材不足は深刻化しており、2030年には最大で79万人も足りなくなるといわれています。
さらに、リファラル採用やソーシャルリクルーティングなど採用手法のトレンドが変化したり、労働契約法改正によって雇用を見直す企業が増えたりしたことも影響しています。
また、政府が推進している「働き方改革」も要因の一つです。長時間労働の是正や働き方の多様化が求められていることから、今までの体制だと採用活動をスムーズに進められず、外部委託に至ったという企業も増えています。
採用代行(RPO)は先述したとおり、採用活動全般を代行してくれるサービスを指しています。
一方、人材紹介は「企業と転職者をマッチングするサービス」です。転職希望者の紹介や面接日程の調整など外部からのサポートがメインなので、依頼できる業務も限られています。
なお、採用代行は「委託募集」に当てはまります。厚生労働大臣もしくは都道府県の労働局長から許可を受けていれば、違法性を問われることはありません。
採用代行(RPO)を導入すれば、企業は数多くのメリットを得ることができます。採用代行(RPO)のメリットをまとめたので、ぜひチェックしてみてください。
採用計画の策定やデータ分析など採用活動の初期フェーズから任せられるので、募集開始までのスピードが早くなります。好スタートを切れば、以降のフェーズも円滑に進むようになるため、結果として採用活動を全体的に短期間化できるのです。
自社だけで採用活動を進める場合、採用メンバーの教育や体制整備から始めなければならないので、絶好の機会を失ってしまう可能性もあります。
採用代行(RPO)を導入した場合、応募者への連絡や面接のスケジュール調整など、採用活動における煩雑・多量なノンコア業務をアウトソース化できます。
これにより社内メンバーは面接や合否決定といったコア業務に注力できるため、マンパワー不足によるミスマッチや内定辞退増加も防ぎやすくなるでしょう。
採用代行(RPO)のサービス業者は優れたノウハウを持っているので、市況・トレンド・ターゲット動向などに合わせた採用活動ができます。そのため、自社の採用経験の浅さ、採用スキルの低さをカバーすることが可能です。
採用が成功しやすくなるのはもちろん、サービス業者から説明や提案を受けることで、自社も採用活動のノウハウを学べるので、今後の改善に役立てられるでしょう。
採用代行(RPO)のスタッフは、その道に精通したプロなので、応募者・候補者に対して正確かつスピーディーな対応を提供してくれます。応募者・候補者への細やかな連絡や相談にも対応できるため、自社に対する印象を向上させることが可能です。
応募後や選考後のレスポンスがどれだけ早いかによって、採用が成功する確率も変わってきます。対応力で他社に遅れをとらないことも重要になってきます。
採用代行(RPO)は外部委託形式のサービスなので、当然ながら依頼費用がかかってきます。しかし、トータルで見るとコストを削減できる可能性が高いのです。
実際、広告媒体・応募者管理・教育費・人件費など、採用活動にはコストカットできる部分が多いので、その辺りを把握しているプロに任せたほうが得策といえます。
また、採用代行(RPO)なら企業に合った人材を見極めてくれるため、採用のミスマッチにおけるコスト削減にも期待できるでしょう。
採用代行(RPO)はとても便利なサービスですが、メリットばかりではありません。導入にあたってデメリットがいくつか発生するので、きちんと押さえておきましょう。
採用代行(RPO)サービスの性質上、社内の採用メンバーと候補者・内定者との間でやり取りする機会が減るので、信頼関係をうまく構築できない可能性も出てきます。応募から採用まで短期間で完了することもあり、相手は不安を感じるかもしれません。
面接や説明会など対面での業務は自社で行なったり、内定後に社内メンバーとの顔合わせの場を設けたりするなど、積極的にコミュニケーションをとることが大切です。
採用代行(RPO)を導入すると、社内メンバーの業務負担はたしかに軽減されますが、委託する業務に関する経験やノウハウが蓄積しにくくなります。そのため、将来的に自社内で解決できる範囲が広がりにくく、採用活動を行なうたびに依頼しなければならない可能性も出てきます。
いざというときに「自社だけで対応できない」とならないよう、採用代行(RPO)にすべて丸投げはせず、自社で対応できる業務は社内メンバーに任せましょう。
採用代行(RPO)はサービス業者と連携しながら進めるので、密にやり取りする必要があります。しかし、外部委託となる関係上、どうしても認識のズレや伝達不足などが発生しやすいため、採用状況を把握しにくい場面が出てくる可能性もあるのです。
コミュニケーションの方法や頻度、連絡ルールなどは事前にしっかり固めておきましょう。
採用代行(RPO)サービスでは、ノンコア業務を依頼できるケースが一般的です。サービス業者によって請負範囲は異なっており、契約ごとにその範囲を選べるようになっています。
また、株式会社クリーク・アンド・リバー社をはじめ、特定の業界・業種にフォーカスを当てた「専門特化型」のサービスを提供している業者も存在します。
採用代行(RPO)サービスに任せられる業務内容をまとめたので、こちらも併せてご覧ください。
採用ターゲットの設定や採用計画の立案・体系化など、スタートの段階から関わってもらうことができます。競合企業や採用市場に関するデータ分析、社内メンバーからの要望・意見収集なども含めて対応してくれるため、経営・事業戦略を踏まえた効果的な採用戦略・計画を立てることが可能です。
採用活動でも特に重要なフェーズですが、採用代行(RPO)を導入すればスキル不足もカバーできます。
採用を成功させるためには、自社に関心を持っている候補者を集める「母集団形成」が欠かせません。採用代行(RPO)なら求人媒体での広告展開をはじめ、説明会・インターンシップの支援、採用ページ・パンフレットのツール制作支援など、母集団形成に関する幅広い業務を依頼できます。
また、活用媒体のコンサルティングを行なうサービス業者も存在するので、必要に応じて依頼しましょう。
応募者への連絡やスカウトメール送信など、人材を絞り込む前でも数多くの業務が発生します。しかし、ノンコア業務がほとんどであり、社内メンバー以外でも対応できるため、採用代行において最も依頼されやすい部分です。
細かなフォローやスピーディーな対応が求められる業務なので、それを踏まえても依頼が適切といえます。
候補者数や採用人数、面接に関わる社内メンバーの数が多いほど、スケジュール調整も煩雑になりますが、採用代行に任せればリマインドまで対応可能です。
面接・合否決定は、本来なら社内メンバーが携わるべきコア業務です。しかし、採用活動のノウハウがまったくない場合、支援・代行してもらうことができます。
内定者へのフォロー対応は、採用プロセスでも注力すべきフェーズといえます。フォローが不足していると、内定辞退につながる可能性もあるからです。
採用代行に任せれば、内定辞退が起こらないようきめ細かいコミュニケーションをとってもらえます。また、採用代行のサービス業者は第三者ということもあり、フラットな視点から内定者の疑問解決を図りやすい点もメリットといえるでしょう。
新人研修・説明会もコア業務なので、社内メンバーによる対応が望ましいですが、マンパワーやスキルが不足しているときは外部委託も可能です。
採用代行では、社内の採用メンバーに対する研修・トレーニングも依頼できます。外部委託すると社内にノウハウが蓄積されにくいため、このサービスで対策するのも一考です。
なお、当社では、クライアントと伴走しながら採用活動を進めているので、ノウハウを蓄積させることができることも特徴です。
採用代行のサービス業者を選定したり、具体的な依頼内容について相談したりするときは、あらかじめ以下の3つのポイントを明確化しておきましょう。
採用代行をどのように活用すべきかは企業によって変わりますが、最も重要なことは「サービス業者に目的を達成してもらうこと」です。そのため、なぜ採用代行を導入しなければならないのか、何をもって目的達成と判断するのかなどを明確化したうえで、サービス業者と共有する必要があります。
採用代行を活用する目的の例としては、以下のような内容が挙げられます。
・採用成功率を高めて人材不足を解消する
・採用メンバーの業務負担を軽減してコア業務に集中させる
・採用活動にかかるコストや手間を減らす
・採用活動に関するノウハウを蓄積する
このような目的があいまいな状態で依頼すると、思うような成果が出なかったり、かえって効率が悪くなったりする可能性もあります。
採用代行を導入する場合、自社の目的に合わせて委託したい業務範囲を決めることも大切です。どの業務をどこまで依頼するのか、予算や契約内容を踏まえながら、事前にある程度固めておくと、余計なコストや手間が発生する可能性も低くなります。
また、業務範囲を明確化しておけば、サービス業者側も対応すべき業務を把握しやすくなるため、結果として採用活動の効率化につなげることが可能です。逆に業務範囲がわかりづらい場合、対応ミスや連絡漏れが発生したり、スケジュールの進行が滞ったりするかもしれません。
「契約に含まれている・含まれていない」という問題を避けるためにも、きちんと明確化・共有しておきましょう。
自社にとって譲れない採用ルールがあれば、サービス業者と相談する段階でしっかり伝えたいところです。特に委託する業務範囲が広ければ広いほど、自社のルールは損なわれやすい傾向にあります。
採用ルールがきちんと伝わっていなかった場合、トラブルに発展する可能性もあるため、時間をかけてでも念入りにすり合わせを行ないましょう。
採用代行(RPO)は企業人事の業務効率化やコストダウン、人材不足の解消を実現できる便利なサービスです。メリット・デメリットを踏まえたうえで、うまく導入・活用できれば、採用活動の質を高められるのはもちろん、さらなる改善へとつながる経験やノウハウも習得できます。
また、採用代行(RPO)と一口にいっても、サービス業者や契約内容はさまざまです。企業によって最適解は変わってくるので、予算や目的をきちんと考慮したうえで、自社に合った活用方法を検討しましょう。きちんと準備を整えてから採用代行(RPO)を導入すれば、望んでいた成果が出る可能性も高まります。
特にIT・Web系の人材不足は極めて深刻なので、従来と同じような採用活動を行なっても、優れた人材を確保することは困難です。採用を成功させたいなら、専門家に相談することをおすすめします。
当社では、クリエイター・IT人材の採用でお悩みの企業様に向け『HIGH-FIVE[HR]採用代行(RPO)・人材紹介サービス』を提供しています。ノンコア業務をお任せいただきコア業務に集中する体制をつくることもできますし、採用戦略からご相談いただくことも可能です。
また、提供先企業様に沿った採用スキームを構築しますので、企業様にも採用ノウハウが蓄積される点は大きな特徴になります。クリエイター・IT人材の採用活動でお悩みなら、『HIGH-FIVE[HR]採用代行(RPO)・人材紹介サービス』にご相談ください。
この記事を書いた人
大学を卒業後、関西の広告代理店へ入社し、営業として求人媒体の広告販売や雑誌メディアの広告販売、SPツールの企画、提案、制作進行管理を4年ほど経験。クライアントは地元関西の企業や飲食店、美容室などがメインでほぼ新規での営業を経験。その後、クリーク・アンド・リバー社へ転職し、13年...