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フェムテックが女性活躍を加速させる~注目のフェムテック関連企業も紹介~

初めに

フェムテック(FemTech)とは、FemaleとTechnologyを合わせた造語であり、テクノロジーの力で女性の健康課題を解決する製品やサービスを指し、月経や出産、不妊、更年期など、女性特有の健康課題をサポートするツールとして注目されています。

介護離職、少子化など日本社会が現在抱えている問題は、女性の社会進出・活躍が阻害されていることに起因するともいわれます。フェムテックで女性の健康課題が克服されれば、こうした社会問題も解決できることが期待されています。

この記事では、官民挙げて積極的な活動が展開されるフェムテックの現状、導入の効果、注目されるフェムテック企業などを紹介・解説します。

フェムテックが注目される背景と導入メリット

本章では、なぜ今フェムテックが注目されているのか、その背景と導入のメリットを紹介します。

フェムテックが注目され拡大を続ける背景

①女性特有の健康課題の可視化とテクノロジーの進歩
女性のライフステージには、さまざまな健康課題が存在しています。女性の社会進出や活躍推進が進展しないのは、その健康課題が原因ともいわれてきました。そこに光を当て、課題解決するための手段として注目されているのがフェムテックです。

これまで女性の性や身体に関する問題はタブー視され、なかなかオープンに語ることができませんでしたが、「#Me Too」運動などを始めとして、女性の抱える課題や問題が可視化され、声を上げやすくなったことで注目され始めました。

また、テクノロジーの進化も追い風となっています。これまで数値化されなかった女性の身体的データを手軽に記録することが可能になり、研究が進むことで課題解決へとつながっています。

②政府の後押し
2020年10月、自民党内で「フェムテック振興議員連盟(フェムテック議連)」が発足し、会長となった野田聖子氏は次のように述べています。「これからの日本は新しい需要を起こさなくてはならない。フェムテックはその一つのアイコンになる」。

また、内閣府が決定した「女性活躍・男女共同参画の重点方針2021」において、「フェムテック」の推進が明記されています。経産省も補助金を拠出する実証実験を進めており、スタートアップ企業から大企業、また国も巻き込みながら市場の拡大が続いています。

参照:「女性活躍・男女共同参画の重点方針 2021」

フェムテック導入のメリット

①女性活躍推進の原動力になる
さまざまな問題や悩みが解決された女性たちは、自信をもって社会に進出し、新たな社会の活力となります。また、フェムテック分野に目を向けた女性が、新たな起業家をして立ち上がることが考えられます。

②企業の生産性向上が期待できる
企業にとっては女性従業員の健康促進・労働環境改善などによりパフォーマンスが向上するため、生産性の向上が期待されます。体調の異常を早期に発見し離職を未然に防ぐことも可能です。

③性差を超えた自分らしい社会生活
フェムテックが市場として広がり、女性が抱えてきた課題が認知されることは、性差の溝を埋め、結果として誰もが自分らしく生活する社会の形成に寄与します。

④経済状況好転の原動力
介護離職、少子化、子どもの貧困、非正規雇用、待機児童など、現在の日本社会が抱える課題をフェムテックで解決させることが期待され、フェムテックが経済状況好転の新たな原動力になる可能性があります。

フェムテックを展開する注目企業

フェムテックのカバー領域は、妊娠/不妊、月経、更年期、産後ケア、婦人科系疾患、セクシャルウェルネスなどです。本章では、それらの課題を解消・軽減するためのアプリ、医療機器・製品、診断サービスなどを展開する注目企業を紹介します。

株式会社エムティーアイ:ヘルスケア事業

企業理念「世の中を、一歩先へ。」

・女性の健康情報サービス「ルナルナ」
・体調管理や妊活を考える女性のための基礎体温記録アプリ「ルナルナ 体温ノート」
・オンライン診療と低用量ピルの処方を受けられるプラットフォームサービス『ルナルナ おくすり便』

などのサービスを開発・展開しています。

fermata株式会社:フェムテック製品の販売・法人へのコンサルティング

企業理念「あなたのタブーがワクワクに変わる日まで」

世界初のフェムテック専門オンラインストアの運営やアジア・日本のフェムテック市場へ参入を希望する企業・社内のDI&E推進を目指す企業へのコンサルティング事業を行っています。また、自身の体の悩みをシェアしたり、心身についての正しい知識を得られるイベントの運営やコミュニティの育成に力を入れており、2021年10月に開催した「Femtech Fes !」では約1500人が参加し、日本最大級のフェムテックイベントとして話題となりました。フェムテック商品専門EC「fermata store」。月経、産後ケア、セクシャルウェルネスといった女性の健康課題を解決するプロダクトを扱っています。

株式会社LilyMedTech:乳がん用画像診断装置などの開発

ミッションは、「乳がんと闘う」この言葉のない世界を目指して

・乳房用超音波画像診断装置「COCOLY」を開発。超音波を用いて乳房を変形させることなく、乳房全体の3次元画像を撮影でき、痛みや被ばくリスクをなくすことが可能となっています。

フェムテックの導入・活用事例

本章では、フェムテックを活用し効果をあげている企業を紹介します。

O社(鉄道・不動産事業)

ダイバーシティを重視する観点から、フェムテックを活用し、働く女性社員の生活と仕事の両立をサポートしています。

2018年9月から不妊治療や流産の相談窓口となる「ファミワン」を導入。12月から「産婦人科オンライン」を導入し、女性社員が安心して働ける環境を整備しています。駅や運転現業の監督者向けに、妊活や不妊に関するセミナーを実施しています。

K社(消費財化学メーカー)

全国の女性従業員がどこからでもいつでもメールで産業医に相談できる「女性の健康相談窓口」を設置しています。また、3カ月に一度「Women’s News」というライフステージに応じた女性の健康に関する情報を発信。男性にも女性特有の健康状態について知ってもらう機会をつくっています。

『日経WOMAN』と『日経ウーマノミクス・プロジェクト』が実施した、「女性が活躍する会社BEST100」(2019年版)で総合ランキング1位に輝いています。

まとめ

この記事では、フェムテックが注目される背景とメリット、フェムテックを展開する
注目企業、フェムテックがもたらす経済効果などを紹介・解説してきました。
フェムテックのツールとしての有用性はお分かりいただけたと思います。

しかし、女性が直面するライフイベントや心身の健康課題は、女性だけの話ではありません。周りの人も、その健康課題を知り、気遣うことで、職場のマネジメントが改善し、パートナーとの関係がより良くなる。お互いを配慮する気持ちは、多様な働き方を考えることにつながると考えます。フェムテックを活用して、誰もが働きやすい環境がつくられることを願っています。

この記事を書いた人

HIGH-FIVE編集部

取材・文、撮影、編集:HIGH-FIVE[HR]編集部